Project Cars 2 に登場する市販車46台をテストドライブした結果(No.31~No.39)
Project Cars 2 には46台の市販車が登場
「Project Cars 2」には、46台の「市販車」(ゲーム内ではROADタイプ)が登場しますが、それぞれが独特の特徴を持っていて、ドライブする感覚が一台一台まるで違います。
パワーもハンドリングもマイルドで、初心者でも楽にドライブできる市販車もあれば、レースカーに保安部品を付けたような爆速カーというのもあり、同じ市販車でありながらその大きな性能の違いに驚きます。
多くのカーゲームではマシンを替えてもトップスピードやコーナーリングスピードが変わる程度で、エンジンの位置や駆動方式による特性の違いについてはあまり気にする必要がありませんが、「Project Cars 2」ではそういった特性による挙動の違いも考慮しなければならず、そして、その特性に合わせたコントローラー操作をしなければマシンを速く走らせることはできません。
テストドライブは夜間も実施されました
なぜ「市販車」なのか?
今回は「市販車」だけを選んでそれぞれのマシンの特性を探ってみたいと思いますが、なぜレースカーではなく市販車にするかというと、それはレーシングカーよりも特徴に変化があるて面白いからです。
レーシングカーというのは速く走ることを目的としています。軽量化された車体に硬いサスペンション、グリップの高いスリックタイヤが装着され、あるレベル以上の走行性能を保っていて、ある程度似たり寄ったりしているといえますが、市販車はそうなっておらず、マシンによる独特な特徴の変化が「市販車」の面白さのもとになっていると思います。
テストドライブ(No.31~No.39)
それでは、テストドライブで得られた結果です。
テストは「ブランズハッチサーキット」で行われ、マシンはノーマル状態のまま。「Project Cars 2」のマシン一覧と同様にアルファベットの「A」から順番にドライブしています。また、TCS(トラクションコントロール)とSC(横滑り防止装置)はできるだけONとOFFを試しています。
No.31「Mercedes-AMG A 45 4MATIC」2016
エンジンもフロントにあり車重もあるのでハンドリングは少し重めですが、程よくパワフルなのでドライブしていて退屈になるようなことはありません。
ペースを上げて攻め込んでも4WD車ならではの安定感があり、初心者でも快適なサーキットドライブを楽しめるマシンでしょう。
マシンの難易度:★
No.32「Mercedes-AMG GT R」2017
このマシンはエンジンをフロントに搭載し後輪を駆動するFR車で、車体の後部が軽くリヤタイヤがスリップしやすいので、特にコーナーの立ち上がりでのアクセル操作には注意が必要です。
ハンドリングは、アクセルをパーシャルにした時はニュートラルですが、そこからアクセルを閉じるとフロントがイン側に入り込んでオーバーステアになり、アクセルを開けるとリヤタイヤが流れればオーバーステアに、流れなければニュートラルになります。
タイヤが温まるまではアクセル操作でリヤタイヤがスリップしやすいので、TCS(トラクションコントロール)をONにしておくと良いでしょう。
マシンの難易度:★★★
No.33「Mercedes-AMG C 63 Coupé S」2016
フロントノーズにエンジンがあり後輪を駆動するFR車で、ハンドリングは「GT R」と同じ特性をもっていますが、フロントタイヤのグリップは「GT R」より低く、オーバースピードでコーナーに突っ込むと強いオーバーステアが出て曲がり切れなくなります。
車重が1800㎏とけっこう重めですが、エンジンに十分なパワーがあるので意外とキビキビとした走行が可能です。
マシンの難易度:★★
No.34「Mitsubishi Lancer Evolution Ⅳ FQ360」2006
次は、三菱自動車の「Lancer Evolution Ⅳ FQ360」です。
程よい馬力と4WDという組み合わせなので、多少無理をしても車体のバランスが大きく崩れる心配はありません。ハンドリングもニュートラルで変な癖はなく思った通りのラインを走れると思います。
マシンの難易度:★
No.35「Mitsubishi Lancer Evolution Ⅵ T.M.E」1999
次も、三菱自動車の「Lancer Evolution Ⅵ T.M.E」です。
ドライブした感想は前の「Lancer Evolution Ⅳ FQ360」と基本的に同じですが、パワーが少ない分スピードが出しにくいかと思います。
マシンの難易度:★
No.36「Mitsubishi Lancer Evolution Ⅹ FQ400」2012
三菱自動車の3台目は「Mitsubishi Lancer Evolution Ⅹ FQ400」です。
ドライブした感想は「Lancer Evolution Ⅳ FQ360」と基本的に同じですが、このマシンの方がエンジンの馬力が高いのでスピードが出しやすくなっています。
マシンの難易度:★★
No.37「Nissan GT-R Nismo(R35)」2017
パワフルなエンジンが搭載されているのと、車重+4WD車ならではの安定感があるので、軽快で俊敏というよりは落ち着いた感じの速さがあります。
ハンドリングはニュートラルで、アクセルを緩めてフロントに荷重をかけても、また、アクセルを開けてもオーバーステアになることはなく、あくまで速度に応じた曲がり方をするので、コーナーの入り口できっちりマシンの速度を合わせておく必要があります。
車重と4WDでタイヤのグリップは高いので、TCS(トラクションコントロール)やSC(横滑り防止装置)は必要ないようです。
マシンの難易度:★★★
No.38「Pagani Huayra BC」2016
次は、パガーニの「Huayra BC」です。一応は市販車ですが、実際は市販のレーシングカーといった方が良いかもしれません。
軽量な車体と800馬力の超ハイパワーエンジンの組み合わせで加速力は猛烈で、タイヤが温まっていてもTCS(トラクションコントロール)を効かせないと、簡単にリヤタイヤがスリップしてバランスを崩す場合があります。
ハンドリングは低速から高速までニュートラルで安定していますが、さらにタイムを削りたい場合は、リヤタイヤを少しスライドさせてオーバーステア気味にした方が良いでしょう。
マシンの難易度:★★★★
No.39「Pagani Zonda Cinque Roadstar」2011
今回の最後は前と同じパガーニの「Pagani Zonda Cinque Roadstar」です。このマシンもやはり市販レーシングカー的存在ですね。
「Huayra BC」よりもエンジンパワーが122馬力ほど少ないですが、車重がやや軽く加速力はこのマシンの方が高いです。排気サウンドも甲高く荒々しい印象です。
ハンドリングは常時オーバーステアで、普通にハンドルを切れば自然にリヤタイヤが外側に流れ、マシンがスルスルと旋回します。この特性を利用すれば、アクセルを早く開けることができるので大きくタイムを削れます。
ただし、ハンドルを切り過ぎたり進入スピードが高すぎると、リヤタイヤが流れ過ぎて逆にタイムを落とすことになるので注意が必要です。
マシンの難易度:★★★★
今回のまとめ
今回は計9台のテストとなりましたが、どのマシンもそれぞれ個性があってなかなか面白かったです。
サーキットでの速さとなると、どうしても馬力の高いパガーニの2台になりますが、「Nissan GT-R Nismo」の抜群の安定性がある速さにもなかなかの魅力があると思います。
次回はこのシリーズ最後のNo.40~No.46のマシンテストになりますが、いよいよスポーツカーブランドの大御所のひとつ「PORSCHE(ポルシェ)」の2台が登場します。
END